須磨は海と山が接近し、月見山という地名があるくらいに風光明媚な土地。
タクシー運転手いわく「東の江ノ島、西の須磨」。
石原慎太郎・裕次郎兄弟の生誕地でもある。
病弱であった大正天皇のために須磨離宮（旧武庫離宮）が造成され、そのステイタスもあり財閥などの名家が次々に須磨に屋敷を建てた。
昔の日本は家の格こそが大事なのであって、大阪の成り上がりが芦の生える湿地に家を建てた「芦屋」など、とても須磨の足元にも及ばない。
さて、須磨の屋敷のひとつとして現存している旧西尾邸を借り受けて、レストラン・結婚式場を運営するのがNIPPONIAなど地方創生を手掛けるバリューマネジメント。
旧西尾邸も立派な造りだが、それでもタクシー運転手によると、旧西尾邸はランクとしては10番目とのこと。かつてはこの一帯に邸宅が建っていたが、維持が困難なことから次々にマンションなどに置き換わっていったという。
近くに広大な敷地をもつ天理教の教会があるのだが、ここはジャズピアニスト・小曽根真さんの生家である小曽根財閥の元所有地で、固定資産税が掛からない宗教法人に売却されたのだという。
「神戸迎賓館」も窓枠のシーリングがボロボロに剥がれていたり、細部までの保守管理は本当に大変なことだと思う。
しかし、こうして開放された施設として収益を上げ、それが西尾家に還元されてこの歴史的建造物が存続できるのであれば、実に素晴らしいことだ。
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